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依頼者「父は10年前に亡くなって不動産の名義は父のままです。去年母が亡くなり、子どもは私だけなので相続人は他にはいません。相続登記をお願いします」


甲土地(亡父名義)

H13死亡   H22年死亡
 亡父 ==== 亡母
       |
       |
      依頼者



さて、相続のルールは民法という法律で定められており、相続人間で遺産分割に関する特別な取り決めをしなかった場合には、民法で定められたとおりの割合で遺産を「法定相続」することになります(遺言等その他の例外は今回は省略します)。


上記の例ですと、亡父の遺産である甲土地を依頼者が民法の規定通り相続しようとすると、まず、①平成13年父死亡を原因として、甲土地の持分1/2を(父死亡時点では存命であった)亡母、持分1/2を依頼者が相続します。次いで、②平成22年母死亡を原因として、亡母に渡った甲土地持分1/2を依頼者が相続することになります。
最終的には依頼者が甲土地全部の所有者になるので、それでもいいといえばいいのですが、不動産登記の世界では、生じた権利変動は省略せず登記簿に反映させなければならないというルールがありますから(←お役所仕事ですねえ)、土地は一筆、相続人もひとりにすぎない案件なのに、何故か亡父の相続登記と亡母の相続登記が必要になるという、登記申請件数が二件に増えて司法書士にとっては 「一粒で二度おいしい!」 (登記申請件数が増えればその分報酬もアップしますから)事態に。


…などどアコギな商売をしていると、そのうちお客さんに背後から刺されかねないので、司法書士としては亡父から依頼者へ直接名義を移転できるよう、一件の相続登記申請で済むように頭を捻るわけですが。


で、どうすれば亡父から依頼者へ直接甲土地の名義を移転させることができるか(つまり一件の相続登記申請で済む)というと、父が亡くなったことによる遺産分割協議を、現在存命中の唯一の相続人である依頼者が、「亡父の相続人」の立場と、「『亡父の相続人である亡母』の相続人」としての立場で、つまりひとりで遺産分割協議を行えばいいのです。
ひとりで遺産分割協議…。なんという違和感。
まあ、アレですよ、アレ。
「小澤一郎氏個人」と「陸山会代表小沢一郎氏」の間で覚書つくったとかいってたようなもんです。
…あんまり違和感解消しないか。


とはいえ、たったひとりで本当に「協議」なんかしていたら周囲から「ちょっとおかしい人」と誤解されかねませんので、実際には「亡父の遺産につき亡父相続人兼亡父相続人亡母相続人である依頼者が後記のとおり相続することに決定した」とかいう内容の「遺産分割決定書」なる書類を作成し、依頼者が署名押印をして相続登記の添付書類としています。


こうすれば亡父から依頼者へ、亡父の相続を原因として(亡母の相続は介さず)直接に甲土地の所有権移転ができるわけですね。
《平成26年10月23日追記》

わたしのブログ記事の中では比較的よく閲覧されているのがこの記事だったのですが、上記のような事例で、相続人がひとりしかいないのに遺産分割「協議」ってやっぱりおかしいだろ、という意見が法務局内部でもちらほら見られるようになり、とうとう東京高等裁判所で「ひとりで遺産分割協議」を否定する判決が9月30日付で出てまったようです。
この判決をうけ、名古屋法務局管内でも「今後は遺産分割決定書アウト」と取り扱いを変更する旨、お達しがありました。
全国各地の法務局・地方法務局でも同様の取り扱いとなると思われます。
よって今後はわたしの事務所でも原則通り、司法書士にとって「一粒で二度おいしい」お仕事をさせていただきます。
ちなみに名古屋法務局は、つい数か月前には愛知県司法書士会との協議の場で「ひとりで遺産分割協議オッケー」って言ってたんですよ(笑)。
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