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名古屋のグループホームに住む成年被後見人Jさんとの面会は、毎月K市にある「作業所」で行なっています。

「作業所」、正確には「就労継続支援B型事業所」というそうで、さらにいえば「生活介護事業所」「就労移行支援事業所」「相談支援事業所」でもあるそうなのですが、とにかくJさんほか利用者の皆さんは、日中そこで、「カットされたカボチャの切り身から種やわたを取り除く作業」を延々とこなしているわけです。

毎日毎日、単純作業をこなして、Jさんが手にする工賃は一か月あたり4000円程度。えっ。
知的障害者のかたの成年後見人を務めるようになって、最初に驚かされたのがこの「作業所の工賃」の額です。
一か月働いて月収数千円ってどういうことやねん、最低賃金に思いっきり違反しとるやん、と思ったのですが、「就労継続支援B型事業所」というのは、雇用契約に基づく就労が困難な人に対する支援事業をおこなっているのであり、事業所と利用者との間には雇用関係はないため、工賃が最低賃金未満であっても違法ではないのです。「カットされたカボチャの切り身から種やわたを取り除く作業」は雇用に基づく労働ではなく、社会性を身に着ける訓練であり、支払われる工賃は本当に手間賃に過ぎないとのこと(なお、「就労継続支援A型事業所」というのもあり、こちらは利用者との雇用契約の伴う支援事業なので、利用者は最低賃金以上の工賃を手にすることができます)。

事業所の利用者は知的障害等をかかえているため生産性は低く、作業も単純作業が多く(ようは儲かる仕事ではない)、売上は利用者全員で分配するため一人あたりの工賃は月額数千円程度になってしまうのです。

実は内心、「まるで奴隷契約だな」などと思っていたのですが、先日、Jさんとの面会のために「作業所」を訪れたところ、いつもは入口の車庫で利用者さん達が集団でにぎやかにカボチャのくりぬき作業をしているはずが、なぜかその日は人影がありませんでした。
あれ、面会日を間違えたか?作業所お休みだっけ?などと思いながらも、「こんにちは、お世話になります、司法書士のはやしです」と建物内に入っていき、事業所の責任者さんに対し軽い気持ちで「いやあ、今日は誰もカボチャのくりぬきをされてないんで面会日間違えたかと思いましたよ」などと話しかけたところ、「ええ、ここ3日ほどカボチャが入ってこなくてねえ」との返答の後、「林先生、あのカボチャ、うちの作業所で種取り除いてどこに出荷されると思います?」
わたし「さあ?」
責任者「●●●●(某うどんチェーン)とかあるでしょ、あそこのカボチャの天ぷらになるんですよ」
わたし「へえ、そうだったんですか」
責任者「でも、表には出せないんですよ、こういう作業所から出荷してるというのは。偏見があるから」
わたし「はあ」
責任者「ほかの事業所だと野菜を作って●●●(某大手スーパー)とかに出荷してるところもあるけれど、どんなにいい野菜を栽培していても、パッケージに生産者の顔写真を載せられないんです。でも仕方がない」
わたし「えー」
責任者「利用者さん達の工賃、上げたくても安く買い叩かれるから、これが限界なんですよ」


「まるで奴隷契約だな」って、別に「作業所」が利用者を奴隷扱いしてるんじゃない。
障害者が作ったものを安く買い叩く世間が奴隷扱いしてるんだよ。


Jさんとの面会では、毎回責任者さんと相談員さんにも同席してもらっていますが、「Jさん、お小遣い足りてる?何か欲しいものない?」との問いかけに対し、
Jさん「CDがほしい!」
責任者「何のCDが欲しいの?」
Jさん「モー娘。!
相談員「林先生、大丈夫です、ブックオフとかで昔のモー娘。のCDが安く大量に買えますから、Jさんのお小遣いで足ります」
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