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今年の夏場から、やたら成年後見関係の仕事ばかりを抱え込むようになってしまいました。
もっとも、そのうちの大半はご本人があまり資産をお持ちでない案件なので、正直なところ報酬はあまり期待できない(泣)。
来年以降ちゃんと事務所を運営していけるんかいな。むちゃくちゃ不安だ。

さて、成年被後見人があまり資産を持っていないといっても、収入として年金は受け取っていらっしゃるケースは多いです。
しかも成年後見人が選任されるよりもずっと以前からご本人の認知症等は発症しているわけで、判断能力が失われたままのご本人から「扶養親族等申告書」がちゃんと提出されておらず、結果過大な所得税が年金から源泉徴収されたままになっていることがあります。
ご本人の預金通帳を眺めていると、2ヶ月に1度振り込まれている年金額が、ある年からガクンと減っていたりするのですが、それはつまり、その前年の秋に「扶養親族等申告書」が提出されていなかった可能性が大。
年金事務所で源泉徴収票を取得して、還付申告をすることで払いすぎになっていた所得税が戻ってくるので、ご本人の財産が増やせる。
なおかつ、成年後見人就任時には「年金からこんなに天引きされるのか」と思っていた所得税が、「扶養親族等申告書」を提出することで実はそんなにかからないことが判明して、以降の収支のバランスが好転するかも。

で、先日、とある成年被後見人さんに関する「扶養親族等申告書」提出のための書類一式が日本年金機構から送られてきたので、早速これを記入しようとしたのですが、ちょっと判断に迷った。
申告書の記入欄の中に、「本人障害」やら「普通障害者及び特別障害者の人数」を書きこむ欄が。

成年被後見人は特別障害者にあたるの?

所得税法上、「精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者」は特別障害者とされ、所得税の申告の際に40万円の障害者控除が認められています。

「精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者」
あれ?これって、要後見状態になった人のことそのものズバリじゃないの?

しかし、これまではどうも、民法に定める「精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者」と、所得税法に定める「精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者」は用語が酷似(というか同一)していても「法律の趣旨が違う」とのことで、後見開始の審判がおりているような人でも税務申告の場面では特別障害者との扱いを受けられないことがままあったようです。
まあ、あれだ、「小指の角度が違う」から冬木スペシャルとストレッチプラムは別の技、みたいな。

が、やっぱりそれはなんかおかしいだろ、ということで、静岡県社会福祉士会が名古屋国税局に「どうなんだオラァ!」と照会したところ、最近になって名古屋国税局から「成年被後見人には原則特別障害者控除の適用あり」との正式回答があったようです。ブラボー!

成年被後見人の特別障害者控除の適用について(国税庁HP)

それにしてもなんでこんな大事な情報をリーガルサポートは社員に周知しないんだろう?
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